図書印刷の課題
弊社が株主として株主価値向上のために蝶理及び東レに期待すること
1.蝶理の株主価値向上を通じた東レグループ全体の価値向上
2.蝶理のコーポレートガバナンス改善

蝶理の問題①低いバリュエーション

 直近5年間の蝶理の株価のバリュエーションをPBRで振り返ると、一時的に1倍を上回る場面はあっても、長期間1倍を割れる水準で推移しています。 PBRが1倍を割っているということは、効率的に資本を使って稼ぐ力(ROE)が株主の求める期待リターン(株主資本コスト)を下回っているということです(※)。
 ※ROE(自己資本利益率)が株主資本コストよりも低くなるほど、PBRは1倍を下回るというエクイティスプレッドに基づいた考え方を前提としています。

(Source:QUICK Astra Manager)

 蝶理の自己資本は、リーマンショック前の水準と比較して大きく積み上がっています。 リーマンショック前の自己資本は2005/3現在15,451百万円でしたが、2020年3月期現在では57,185百万円となりました(自己資本比率は50%)。 自己資本が積み上がった結果として、過去20%程度であったROEは10%程度まで低下しました。
 ROEが低下した理由は、①低い配当性向によって、当期利益が自己資本として積み上がる資本政策を採用している一方で、②自己資本の積み上がりと比較して、当期利益を増加させることができなかったこと、だと考えられます。

(出所:QUICK Astra Manager)

トピック:達成済の中期経営計画

 蝶理は、2017年4月25日に2019年度を最終年度とする3か年の中期経営計画を公表しました。中期経営計画は、2016年度実績ROEの横ばい以上を目指すという保守的な内容でした。しかし、蝶理は2018年度に目標値を達成し達成したにもかかわらず、2019年度は達成済の中期経営計画を放置していました。

(S出所:蝶理ウェブサイト等から弊社作成)

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