蝶理への株主提案
2020年の弊社の株主提案は以下の通りです。内容に関しましては以下のリンクをご参照下さい。
株主提案1. 社外取締役選任に係る定款変更の件
株主提案2. 取締役会の実効性評価に係る定款変更の件
株主提案3. 剰余金の処分に係る定款変更の件
株主提案4. 「剰余金の処分に係る定款変更の件」が承認可決されることを条件に剰余金の処分をする件
株主提案5. 資本コストの開示に係る定款変更の件
株主提案6. 政策保有株式売却に係る定款変更の件
株主提案の詳細はこちらをご参照ください。
“過半数の独立社外取締役”及び”第三者が関与した取締役会実効性評価”を提案する意図
弊社は親子上場に反対する立場を一貫して表明しています。取締役会の過半数を独立社外取締役とすることや、第三者が関与した取締役会実効性評価を実施するという提案の意図は、これら提案内容を実行した上で親子上場の関係を続けるということではなく、これらを親子上場を解消するきっかけとしていただきたいということです。
弊社は、親会社は「子会社が親会社の言うことを聞く」から子会社を上場させたままにしているのだと考えています。換言すれば、蝶理の取締役の過半数が独立社外取締役となれば、蝶理はもはや東レの「言うことを聞く」ことはなくなり、東レとしても親子上場の解消を決断する契機となると思料します。
株主提案が可決され、配当性向100%が継続した場合の蝶理株価の試算
一株当たり配当額は248円となり(2020年3月期の一株当たり純利益が248円であるため)、配当利回り5%とした場合、株価は4,960円となります。
なお、2020年5月20日現在の株価は1,723円であり、4,960円と2020年5月20日の株価を比較すると、+188%の上昇余地があると算定されます。
弊社が考える蝶理の株主資本コスト
計算の前提:永久成長率3.0%、ROE8%(※)、PBR0.0.74倍
計算の結果:株主資本コストは9.8%
なお、2020年1月6日から5月20日までの株価の平均値に基づく株主資本コストは9.5%と算定されます。
※2020年3月期の自己資本で、2021年3期予想純利益を除した値、PBRは2020年5月20日現在
剰余金処分に関する株主提案の補足
弊社の株主提案は、蝶理に対して過大な配当を求め、短期的な利益のみを追求するということを企図していません。なぜなら、弊社の株主提案は、今期稼いだ利益を超えない範囲で株主還元を行うというものだからです。
(出所:弊社作成)
以上のように、弊社の株主提案は、蝶理の更なる資本の積み上がりを防ぎ、将来の ROEの低下を防ぐために、利益の水準に関わらず配当性向 100%を提案するものです。
トピック:第三者が関与した取締役会実効性評価に集まる注目 |
自社での取締役・監査役に対するアンケートが毎年実施されることでマンネリ化するとの懸念も指摘され、第三者のノウハウを活用した実効性評価の実施が注目されています。
(出所:三井住友信託銀行「取締役会実効性評価の実施進む 第三者関与で実施した会社は倍増」) 蝶理の直近2回の取締役会評価に関する記載を確認すると、以下のように黄色マーカー部分以外は全く同じ内容となっています。このような記載を見れば、蝶理は既に上記の事態(マンネリ化)に陥っている可能性があります。
(出所:蝶理「2019年6月18日付けコーポレートガバナンスに関する報告書」)
(出所:蝶理「2018年11月27日付けコーポレートガバナンスに関する報告書」)
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